SHISEIDO GINZA BLDG.
WINDOW DISPLAY

Bambutsu-shisei 2022

SPACE/VMD/WINDOW DESIGN

2022年、資生堂は創立150周年、資生堂パーラーは創業120周年の節目を迎えました。
資生堂の社名は、四書五経のひとつ『易経』の一節「*至哉坤元 万物資生」が由来です。
(*大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。全てのものはここから生まれる。)
この名には、自然とそこに暮らす人々に対する尊重の意が感じられます。今日の社会は、不安定で複雑になり環境問題は深刻化していますが、この記念すべき新春のウインドウには、日本古来より使われる岩絵具の色彩を用い、新たな門出と明るい未来への期待を込めました。また、黄金比をモチーフとしたこの造形は、自然のなかにある万物資生の美学を表しています。資生堂がこの先も美のちからを信じていく、そして新たな時代への幕開けを彩ることを、ウインドウで形にしました。

その彩りに相応しい素材として、太古より地球上に存在する多彩な鉱物に着目しました。大地が凝縮した鉱物は、地球の色であり生命の源です。その鉱物を丁寧に擦り潰し精製した粉末(岩絵具)は、光を受けてほのかに輝きます。また、金属を手で編み上げたオブジェは、数学的かつ概念的に、究極の美である「黄金比」のフォルムから生まれました。

黄金比は、芸術作品や歴史的建造物のほか、動植物の成長に内在するなど自然界にも存在します。ひとの身体にも黄金比が見られ、黄金比を持ったものを美しく心地よく感じるのはそのためと言われています。

CREDITS

WINDOW ART

CREATIVE DIRECTOR 信藤洋二(SHISEIDO CREATIVE)

ART DIRECTOR / DESIGNER 小林幹也(SHISEIDO CREATIVE)

PRODUCER 髙嶺祥子

制作・施工 現代工房